神学校カップリ/EDレビュー

カップリングは主人公総リバ。どのカップリングも割と「上下?まあどっちでも良いか」的なノリなので、
受け攻めでそれ程影響が出るルートはありません(笑)
攻略は難しくありませんが、一部のルートに制限があります。
以下簡単に感想。

■セシルルート■
世界観的にもビジュアル的にも一番このゲームにしっくり来る(?)ルート。
全寮制神学校のルームメイトで親友で、
聖歌隊所属で線の細い穏やかな性格とくればもうお約束ですよね。
当然主人公に密かに恋している訳です(笑)
夜にコッソリ部屋を抜け出して星を眺めたり、
こっそり手を繋いではドキドキしちゃったりする訳です!
しかし他のこのテのキャラと違って、
別のカップリでくっつく分にはそのへんを微塵も感じさせない、
完璧な「親友」を演じ切って見せてるのが凄いところ。
あくまで主人公至上主義と言うことか…
現に某ルートでは主人公の妄想に長々付き合ってくれちゃってるしな(禁句)
しかしルートに入ってからは逆に肝が座るのか片想い期間が長い故の余裕か、
信仰は捨てないまま主人公を愛すると言う綱渡りも堂々とやってのけます。
切っ掛けこそ偶然(?)のアクシデントでしたが、
セシルとしてはチャンスがあったらいつでも仕掛ける気だったような気もする。
但し若干主人公に傾倒する余り弱みに付け込まれたりもしてる訳ですが…
セシルは悪魔崇拝には直接関わらない為HAPPYとBADの区別が付き辛く、
割と最後の方までじりじりしましたね。
二人が親友になるまでのエピソードも良かったです。
でも当時の英国って日常的に学園に鹿が現れたりするの…?(笑)
BADに入水があるのはココ。
全ルートのBAD共通ですが主人公は大体疑心暗鬼になって相手を手にかける場合が多い中、
心中する道を選ぶのがまた何とも言えず倒錯的です。
■ニールルート■
頼れるお兄ちゃんに甘えちゃうルート。
誰を頼って良いのか、誰になら心を許してもいいのか途方に暮れたまま、
張り詰めた精神状態で学園に戻って来る主人公にとって、
序盤で優しく手を差し伸べてくれる彼の存在はプレイヤーにとってもホッとする存在でないかと。
実際(ネタバレ)年齢詐称してる訳で、
彼の余裕はそれなりの裏付けがあってのものなので安心感が段違いです。
ルートに入っていなくても主人公と一緒に悪魔崇拝に片足突っ込んでるので、
真相解明の為に諸々手を尽くしてくれます。
ともすれば沈みがちな主人公の精神状態を巧みに持ち上げ、
それと気付かせないように甘やかすことの出来るその手腕は、
さながら彼の得意とする手品のようで魅力的。
逆に途中主人公の余りの無防備さに悩殺されちゃってからは、
常識人故の葛藤が邪魔をして主人公よりも懊悩してましたが。
恋心を自覚してからは主人公の方が強気でしたね。
いやでも実際年齢差(主人公の年齢は明記されませんが)を考えると、
二ールが二の足を踏まざるを得ないのは解る…(笑)
その分HAPPYには数年を要します。
小さな教会で不安と期待を入り混じらせながら主人公を待つ二ールの事を考えると、
リバですがすげー嫁っぽいな……
■レオニードルート■
ツンデレデレデレギャップ萌えルート。
総監督生と言うポジションと、主人公への最初の接触が最悪(鞭打ち)なのと、
何より(ネタバレ)ラスボスと声が一緒なので、
当初このルートに入るのがすげー怖かったんですが、
実際入ってみたら何のこたーない、只の孤高の寂しがり屋で甘えん坊キャラでした(笑)
とにかく隙を見せない為に他のルートでは完全に己を律してる状態なので、
主人公に部屋の掃除をさせては寝ぼけてゆらゆらしながら紅茶に蜂蜜をねだる、
とか、そういうシーンが出る度ギャップ萌えに弱い自分としては完全にノックアウトでした。
卑怯だろ…この可愛さは卑怯だろ!!
余りの抜けっぷりに主人公が段々レオニードをぞんざいに扱うようになってくるのも面白いです。
このルートの主人公がなんだかんだで一番男らしい。
心を許してからは(その後もひと悶着ありますが)レオニード側が素直に好意を表すようになるので、
ちょっとしたイチャイチャが多いのも特徴。
愛称で呼んでくれないと拗ねたり、ちょっと冷たくされると凹んだり、
しょげてる時はスキンシップをねだったりと、その耽美なビジュアルも相俟って、
俺はどこの高貴なお嬢さんを引っ掛けちまったのかと呆然とすること暫し…(笑)
そんな彼でも権力は確かに持ってるので、真相解明には二ールに負けず劣らず頼りになります。
但しレオニードも悪魔崇拝には直接関わってないので、
彼自身が危険に巻き込まれたりと、なかなか展開としてはスペクタクル。
BADは恐怖の逃避EDです。
■オーガストルート■
このゲームにおける本質的な意味でのTRUEカップリ。
普段は人の良さそうな言動で生徒から慕われる神父サマですが、
実態は全ての元凶で諸悪の根源。
いっそ無邪気とも言える残酷性で主人公に並々ならぬ執着を見せます。
いや、執着とも違うのかな…彼は彼なりの論理でもって、
主人公に振り向いて貰うのを粛々と待ち続けている死刑囚の役割を担ってます。
勧善懲悪とならないのがこのゲームの心憎いところです。
彼については全てがネタバレになるのですが、
全てのカップリの馴れ初めから初がっちゅんまで余すところなく盗聴済だったのかと思うと、
確かに彼以外のルートでのオチは死ぬしか無かったのは頷ける(笑)
(超例外的に唯一の生存ルートが他カプに1本ありますが)
しかし彼本人のルートでも死ぬこたぁなかったんじゃないのか!?
主人公に断罪されることでしれっと幸せになっちゃうルートがあっても良かったんじゃ…ないのか…
まあそうは問屋が卸しませんでしたね。やっぱりやらかした規模がデカ過ぎましたね。
薔薇ノ木のように心中すらも許されていないと言う容赦の無さです。
時折覗かせる彼の生来の真摯で純粋な心根と相俟って何とも言えない複雑な気持ちになります。
例えばレオニードルートで主人公が見た妄想(不思議の国のアリスのキャラに扮したレオニードと二ール)は、
きっとバレないことを前提とした彼の計らいと言うか、優しさのようなものだと思うんですよ。
眠る主人公をお姫様抱っこで着替えさせる時に「笑ってるよ、可愛いね」って言ったのは、
きっと飾り気のない本音で、本当は相手を愛することも決して見失ってはいなかったんじゃないかと思うんですよ。
ともすればスキャンダラスなシーンばかりが際立つ(ていうかぶっちゃけほぼエロシーンだ)
カップリですが、彼らの間には愛とも罪ともつかない慈悲深い何かが横たわっている気がします。
まあラスト(相克)シーンは若干「おまwwwww夢見過ぎwwwwwwww」と思わなくも無かったですが(こら)

あとこのルートに限り、BADでアベルが関わるシーンがあります。
こちらもご丁寧にリバですが、BADはBADなので特に進展はありません。
アベルも限りなく悪魔的ですが、個人的には愛すべきキャラだと思ってます。
あんだけハキハキ暴言を吐かれるといっそ清々しい(笑)
彼も殆どのルートで生存率が著しく低いのですが、どうせなら過去(明確に明かされませんが)
を乗り越えて幸せになるシーンがあっても良かったな……
■ガブリエルルート■
オーガストルートと対になる、全ての謎が明かされる(?)ルート。
(?)としたのは、結局オーガストが得ていたであろう不思議な能力の解明はされず仕舞いだったので。
彼がどこまで主人公の家族の死に関わっていたか本当のところは不明ですが、
それがきっかけで「ガビィ」が存在出来たのだとすれば、
ある意味「ガビィ」と添い遂げることそのものがオーガストにとっても救済であったと解釈出来なくもない。
途中までルート共通してるし。
で、ガビィですが、一見近親相姦ルートなのかと思ったらそれどころじゃありませんでしたね。
彼も全てがネタバレなのでどこまでツッコんで考察するべきか迷いますが、
余りに超展開過ぎて萌えるところまでいきませんでした。(笑)
まあ正直、他のルート攻略してる時点で薄々嫌な予感はしてたんですけど。
あとルートの中盤でもフラグはガンガン立ってるんですけど。
でもどっちかっつーと(ネタバレ)他の家族と一緒に死んでいたと言うのを想像してたので、
実は全部主人公の妄想だったと解った瞬間は驚きよりも焦りましたね…
オイオイ大丈夫かよ主人公!!みたいな……
しかしながらルートとしては一番大団円なのがここです。
アベルはおろかオーガストですらこのルートでは生存してます。
ルームメイトとも結託し、皆の協力で平和的円満解決を迎えることが出来るルートなので、
(勿論ブラックなBADはそこかしこに存在してますが)
主人公自身が救済されつつ真実に最も近付けると言う意味では、
このカップリも(このカップリこそが?)TRUEなんでしょうな。
しかし「ガビィ」以外のルートでのガブリエルはどうなっちゃってるのその頃!?
あんな最後の最後でしれっと出て来て美味しいとこ掻っ攫うとかチート過ぎる(笑)
どうせなら「ガビィ」ではなく「ガブリエル」ともくっ付くまでのエピローグも入れて欲しかったです。
FDとか出るなら大いに期待したいところ。


カップリの他にフラグ回収不十分で至るBAD等も存在しますが、
攻略キャラルートに乗るまでが割と早い段階なので、
順番に攻略していけば普通に全ルート見られると思います。
個人的にはジャックルートが諦められない…(笑)
何故無いのだジャックルート…

2011/04/10 記