STEAL!ゲームレビュー

※当時のプレイ日記から一部抜粋しています

良くも悪くも、平平凡凡としたADV。
冒険しない代わりに、不動の安心感を与えてくれるゲームです。

プレイした第一印象として、扱ってる素材は全然違うのですが、
マギミスに非常に似た雰囲気を感じました。
既存のゲームと比べられちゃうのはちょっとアレだと思うんですが、
決して面白くない訳ではありません。
まあ前作、鬼畜眼鏡がインパクトもあり面白い、という非常に良い出来だったので、
どうしてもそれと比較すると地味ゲーに分類されてしまうのかもしれません。

舞台は全寮制男子校の特別科であるところの美学行動科
(このセンス何とかならんかったのか笑)で、
スパイ予備軍として集められた問題児チームで巻き起こる諸々。
ゲーム最大の特徴であるところの主人公の能力は、
まあ確かに切り札として有効なのは全体を通しても解るんですが、
イマイチ見せ場に欠けると言うか何と言うか……
他のキャラの能力もそうなんですが、
「で、それは何だったのか?」という部分がやや説明不足の印象を受けます。
主人公が学園に来るに至った経緯も、
回想シーンではなく主人公の口述だけなので、説得力としては甘いような。
ただシナリオと各キャラクターのパーソナリティの完成度が高いので、
どのルートで共通のイベントをこなしてもそれなりに飽きのこない展開は楽しめます。
スチル枚数は平均的〜やや多めの印象。各キャラごとの偏りは見られませんが、
たまーに人体びっくりショーのものがあったりなかったり。
キャラデザは好き嫌いあるかと思いますが、
それ程癖は無いんでないかな、と思います。

システム的には、シーンごとにウインドウのデザインが変わったして、
細かい演出が非常に凝ってます。
このへんは流石ですね。
メンバーズファイルやエンディングリスト等、
ゲームの進捗状況が随時把握出来るこまめなシステムも有り難い。

コンプ後のオマケも充実してて嬉しいです。
EXTRA画面のEDリストで各キャラからのおめでとうメッセージ(ランダム)
が聴けるのと、
「Dear Asuka」と言う、
各攻略キャラからの明日叶への熱烈なラブレター(メッセージ?)
が見られるようになります。
全員分確認すると主題歌のフルバージョンが聴けるようになります。
主題歌は聴いてるうちに段々病み付きになるので中毒注意(笑)
BLゲーム入門編とするにはベストな一作。
熟練プレイヤーには物足りない点も多々ありますが、
食わず嫌いは勿体ないのでたまには古典に立ち返ってみるのもいいんでないかと。

2009/12/15 記